くしゃみや咳をした時に腰が痛い

くしゃみ(咳)で腰が痛くなった…ぎっくり腰?

くしゃみ(咳)で腰が痛くなった…ぎっくり腰?

くしゃみや咳をした時、無理に踏ん張ったりなどすると、思いもよらない大きな力がかかり、腰に痛みが出るということがあります。
よく知られているぎっくり腰(急性腰痛)だけでなく、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを発症している可能性がありますので、お早めにご相談ください。
なお、痛みは必ずしも強いものとは限りません。立ったり歩いたりはできるけれどズキズキと痛む、鈍い痛みが続いている、腰が抜けるような感覚があるといった場合も、診断や治療・必要です。

腰痛があるときにくしゃみや咳を行うときのポイント

すでに腰痛があるという場合には、その悪化を防ぐために以下のようなポイントにお気をつけください。くしゃみや咳による腰痛発症の予防という意味でも有効です。

くしゃみや咳を行う際に踏ん張ったり、力を入れたりしない

くしゃみや咳をする時に直立したまま踏ん張ったり、思い切り力を入れたりすると、腰に大きな負担がかかります。
くしゃみ・咳をする時には、むしろ身体の力を抜くようにしてください。

 

机や椅子の背もたれなどに手を付いてくしゃみや咳を行う

くしゃみや咳をする時の勢いで上半身を前後させると、腰、背骨などに急激な負荷がかかります。
近くの机や椅子の背もたれに手を置くと、上半身の動きが抑えられます。また力が分散し、腰や背骨への負荷が軽減されます。

 

このような腰痛がある方はご相談ください

このような腰痛がある方はご相談ください

  • くしゃみや咳をしてから、腰の痛みが続いている
  • 立ったり座ったりする時に腰に痛みが出る
  • 前屈みになった時に腰が痛む
  • ベッドから身体を起こす時に腰が痛む
  • 腰が痛くて寝返りが打てない
  • 痛みは軽いが腰が抜けたような感覚が続く
  • 腰が鋭く痛む、鈍く痛む

くしゃみや咳を行うときに腰痛が出る原因

くしゃみや咳をした時、腰痛になる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

腹圧が上がるため

くしゃみや咳をした時には、瞬間的に腹圧が上昇します。腰(の筋肉)に負担がかかり、場合によっては腰痛を発症します。

直立した状態でくしゃみや咳を行うため

くしゃみや咳を直立した状態ですると、瞬間的に身体を反らす動作を伴いやすくなります。腰への負担が大きくなる動作であるため、腰痛の原因になることがあります。

身体を曲げることが腰痛を招く場合も

くしゃみや咳をする時の身体を曲げる(前屈みになる)姿勢は、「衝撃から筋肉を守るため」のものだと言われています。しかしこの姿勢が、腰や背骨への負荷となり、腰痛などの原因になることがあります。

腰痛を引き起こす可能性のある疾患

腰椎椎間板ヘルニア

背骨を構成する椎骨と椎骨のあいだには、主にクッションの役割を担う椎間板という組織があります。腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎(背骨の腰部)でこの椎間板が飛び出してしまう病気です。
腰やおしり、脚の痛み・しびれ、脚の脱力感、歩きづらさなどの症状を伴います。

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腰部脊柱管狭窄症

背骨の中には、脊柱管というトンネルが通っています。腰部脊柱管狭窄症とは、腰部の脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する病気です。
腰や脚の痛み・しびれ、間欠跛行、股関節の違和感、失禁などの症状を伴います。

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急性腰痛(ぎっくり腰)

重いものを持ち上げたり、急激に腰をひねったりすることで発症する腰痛です。
立ったり歩いたりすることが困難になるほど強く痛みが出るケースが少なくありません。ただ、歩けるけれどズキズキ痛む、という程度のものもあります。

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腰椎分離症

腰椎の椎骨の後方部分である「椎弓」が疲労骨折し、分離した状態を指します。
背中を反らす動作、ジャンプ時の着地による衝撃、腰をひねる動作などの繰り返しを主な原因とします。
腰やおしり、太ももの痛み・しびれなどの症状を伴います。

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腰椎すべり症

腰椎分離症を原因として起こる「腰椎分離すべり症」と、加齢に伴う椎間板の変性を原因とする「腰椎変性すべり症」に分けられます。
腰部の椎骨がずれることで、腰や脚の痛み・しびれ、間欠跛行などの症状が引き起こされます。

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腰椎圧迫骨折

主に外傷を原因として、腰部の椎骨の前方部分である「椎体」が骨折した状態を指します。ズキズキという鈍い腰の痛み・しびれ、筋力低下などの症状を伴います。
ご高齢の方の場合、尻もち、大きなくしゃみ・咳が原因となることがあります。背中が丸まったり、身長が縮んだりするケースも見られます。

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くしゃみや咳を行うことでぎっくり腰になった場合の対処法

くしゃみ、咳によってぎっくり腰(急性腰痛)を発症した場合には、以下のような対処法により、症状を和らげたり、回復を早めたりする効果が期待できます。

安静にする

歩いたりする日常生活が困難な場合には、できるだけ安静にしてください。
ベッドで横になって安静にする場合には、背中を丸めると多少楽になります。

アイシングを行う

ぎっくり腰の発症後、炎症によって腰が熱を持ちます。
氷嚢、アイスパックなどを使って腰を冷やすと、炎症や痛みの軽減が期待できます。

仙腸関節の可動域を広げる

ぎっくり腰になった人の多くに、仙腸関節の可動域の狭まりが認められます。
ぎっくり腰発症後、以下のような方法をとることで、可動域の狭まりを予防・軽減することが可能です。

  1. ベッドの上で仰向けになります。
  2. 両膝を立て、揃えた状態で、左右にゆっくりと倒します。
  3. 痛みがないまたは軽い方へと30秒間、両膝を倒します。
  4. 反対側へと倒してみて、痛みの出方を確認します。
  5. 「③」「④」を繰り返していくと、仙腸関節の可動域が広がります。また、痛みが出やすかった側の痛みの軽減が期待できます。

くしゃみで腰痛が出る方は当院へご相談ください

くしゃみや咳をした時に腰に痛みが出た時、多くの方がまず疑うのがぎっくり腰です。しかし、実際には腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、あるいは腰椎圧迫骨折などを発症している場合があります。
原因を突き止め、その原因に合った治療を行わなければ、痛みはなかなかなくなりません。運動量が減ることで、可動域の減少、筋力低下などを招くこともあります。
腰だけでなく、身体の痛みが気になった時には、お気軽に当院にご相談ください。