腰椎すべり症とは
腰椎すべり症は腰の骨が前後左右にずれる状態を言い、脊椎分離症をともなう分離すべり症と、脊椎分離症をともなわない無分離すべり症に分類されます。無分離すべり症の中でも中年以降で椎間板の変性によっておこる変性すべり症は、腰部脊柱管狭窄症の原因となることが少なくありません。
症状
腰の痛みだけでなく、足の痛みや痺れなどもともなうことが多いです。
病態が悪化すると馬尾症状(腰痛、下肢の神経痛・痺れ・麻痺、尿漏れや頻尿、性機能障害など)を引き起こすこともあります。
原因
腰椎すべり症の原因は不明ですが、中高年の女性に多いことから、多くは加齢や女性ホルモンの影響を受けているのではないかと言われています。
診断と検査
腰椎すべり症の診断のために、レントゲン検査やCT、MRI検査を行います。
治療
早期の腰椎すべり症であれば、消炎鎮痛剤、コルセットなどを用いた装具療法、リハビリテーションなどで症状の軽減が期待できます。
それでも症状の改善が難しい場合には、手術を検討します。
当院院長が提携病院にて対応しております。
術後
術後、骨が癒合するまで3ヶ月~半年程度、コルセットで患部への負担を抑えます。
また負担のかかる激しい運動や動作なども控えていただき、できるだけ安静な状態を保ちます。
術後半年程度たってから、再度検査を行って骨の癒合状態を確認し、問題がなければ軽い運動から始めていただけます。
よくある質問
腰椎すべり症になると背骨全体がゆがみますか?
腰椎すべり症が進行すると神経を圧迫し、神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症や椎間板の変形による椎間板ヘルニアを併発する場合もあります。
腰椎すべり症は姿勢が悪いとなりやすいですか?
原因の一つにはなります。ただそれだけが原因ではなく加齢や日常の労働環境などで無理な姿勢を取っていないか、負担をかけていないかと気をつける事が重要です。
痛みを緩和させる方法はありますか?
腰椎すべり症は軽度であればリハビリや薬物療法の治療で症状を緩和させる方法がありますが、痛みやしびれが強い場合やすべりが進行している場合には手術が検討されます。
してはいけない運動はありますか?
前方に辷っている場合、身体を後ろに反らす運動は避けます。また後ろに辷っている場合は前かがみになるような動作には気をつけなければいけません。
予防する方法はありますか?
腰に負担がかかる動作をなるべく避けるようにしましょう。特に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった疾患を診断された方は日頃から腰痛トレーニングを取り入れたり、ウォーキングなど身体を適度に動かす方法をお勧めします。
早く治す方法はありますか?
個人差がありますが、約半年~1年とされています。また、痛みや痺れが改善する場合は症状や状態によって改善までの期間は異なります。